2021/12/27
Vol.70 「蕎麦」について
はじめに
みなさん、こんにちは!2021年も残りわずかとなりました。今年の冬は例年に比べ気温が下がるのが遅かったですが、いつのまにか蔵王連峰は白く姿を変え、仙台平野にもうっすらと雪が積もり氷柱ができるなど、身近なところから冬が来たことを実感する今日この頃です。さて、今回は年の瀬が迫りつつあるという事で大晦日の行事食である「年越しそば」と、その原料である「ソバ」について少し紹介したいと思います。
ソバ(そば、蕎麦)
Hans BraxmeierによるPixabayからの画像「ソバの花」
ソバとはタデ科ソバ属の一年草で、イネ科等と違い双子葉の植物です。日本では古くから栽培されており、冷涼な地域や山間部、痩せた土地でも栽培可能なことや、種播きから短期間で収穫できることから救荒作物として作られてきました。収穫時期は一般的に10月から11月とされており、新そばが食べられるのはこの時期となります。生産地としては北海道で最も多く栽培されています。私たちが良く食べる麺状の「そば」は江戸時代中期から始まったといわれています。
年越しそばの由来は?
江戸時代から庶民に定着した食習慣です。縁起物として食べる「年越しそば」ですがこの習慣が定着した由来には諸説あるようです。例えば、「そばを切ると長く伸びる」ことから寿命や身長が延びることを願った形状説や、「本朝食艦(ほんちょうしょっかん)」という江戸時代の書物には「蕎麦は気を降し腸を寛(ゆるく)し、能く腸胃の滓穢積滞(しわいせきたい)を練る」とあり新陳代謝により体内を清浄にして新年を迎える効能説など様々な説があります。他にも地域によって諸説あるようなので気になる方は調べてみてください。そばの健康成分
「そば」は穀類の中で最もたんぱく質に富んでいます。また、「そば」のたんぱく質は水溶性であり、ゆでる際に溶け出してしまうのでそば湯を飲むことは理にかなっているとされます。また、ポリフェノールのルチンを多く含み高血圧予防があるとされています。ルチンも水溶性なのでそば湯を飲むことで、水分中に溶け出したルチンを補えるかもしれません。