2021/01/08
「日本水泳・水中運動学会2020年次大会」において渡邉泰典講師らの研究チームが研究奨励賞を受賞
初のオンラインでの開催となりましたが、オリンピックメダリストやその指導者、国際的に活躍する研究者だけでなく、地域で水泳・水中運動の指導に携わる方も多数参加し、活発な情報交換と議論が繰り広げられました。
この度、受賞した研究内容は、いわゆるカナヅチの人が泳げるようになるための新たな水泳補助具を試作し、その効果を検証しました。
渡邉泰典講師の話
人間は元来、下肢が重いため、水中では脚(足)が下がります。泳げない人は、このことが原因でうまく前に進めないのですが、これを解決する方法として補助具の「ヘルパー」を用いるのが一般的です。従来、水泳指導で広く使用されているヘルパーは、腰部(ウエスト)に浮力体を巻き付ける仕様になっていますが、これが場合によっては下肢を更に沈ませる可能性がありました。
今回の研究では、骨盤側方から大腿側方にかけて浮力を付加する新型ヘルパーを試作し、それを着用することで、水泳が不得意な人のパフォーマンスがどのように変わるかを試行的に検証しました。
その結果、新型ヘルパー着用により、水泳不得意者は即時的に長く浮けるようになり、ゆっくりたくさん泳げるようになりました。
「泳げないから水泳きらい」を「泳げないけど水泳たのしい」へ、 ひとりでも多くひとに水の中で活動することの面白さを知ってもらえるように 、今後さらに改良を進めていきます。
この研究に協力してくださった皆様に深く感謝申し上げます。
【研究奨励賞】 演題:「水泳不得意者の支援を目的とした新型ヘルパーの開発とその効果の検証」 渡邉泰典(仙台大学)、森山進一郎(東京学芸大学)、若吉浩二(大阪経済大学)
本学会は2020年11月14、15の両日、日本福祉大学(愛知県)で開かれました。
<学術会事務室>