「人としての尊厳」を大切に、日々、利用者さまと向き合っています。
社会福祉法人ウエル千寿会 勤務
特別養護老人ホーム 萩の風
施設長
田中 伸弥
2002年度卒業
[秋田県立角館高等学校出身]
人として「人間性」が高められ、
学びがとても多い仕事だと思っています。
利用者さま、入居者さまの「普通の暮らし」をかなえるための支援、また、法人事務局として施設運営はもちろん、経営方針の策定を行うのが私の仕事です。そして「人財育成」も私の大切な使命です。
この仕事をしていて良かったと思うのは、一緒に働く職員の笑顔、利用者さまの笑顔、ご家族の笑顔が引き出せたときです。特段、取り柄もない私のような普通の人間を必要としてくださり、当たり前のように支援において感謝されたときは、「この仕事を選んで良かった」と強く思います。やりがいを感じるのは、人生の終末期にそっと寄り添う「看取り」を行わせていただくこと。支援をする側であるはずなのに、利用者さま側から教わることがたくさんあります。介護職としてだけではなく、人として「人間性」が高められ、学びがとても多い仕事だと思っています。
お一人おひとりの「普通」をかなえる。
福祉職は「クリエイティブな仕事」です。
介護のイメージ=排泄介助、入浴介助、食事介助といった3大介助にスポットがあたりがちです。しかし、介護は「クリエイティブな仕事」です。なぜなら、一人ひとり、その方が思う「普通の暮らし」は異なるのですから、それをかなえるための工夫や介助がワンパターンであるはずがありません。だから「クリエイティブな仕事」なのです。そのことを一人でも多くの方に理解してもらえるよう、私が個人として考えていることですが、介護の魅力を発信し続ける活動を行っていきたい。いまはそれも大切な使命だと考えています。
自分を必要としてくれる人がいる。
その幸せが福祉職の魅力。
働くことは、どの職場であっても大変なことはあるし、つらいことも理不尽さを感じることもあると思います。いまの高校生や大学生の皆さんは、物理的には裕福な時代に生まれてきたと思いますが、精神的にはどうでしょうか。人が人として生きていく「営み」や「暮らし」が、見えづらい世の中になりました。だからこそ「自分らしさ」を見つけることができる福祉という世界に、ぜひ足を踏み入れていただきたいのです。「あなたらしさ」を肯定的に受け入れてくれるはずです。自分を必要とする人、認めてくれる人がいる幸せを感じ、一緒に福祉職の魅力を高めていくことができたら、とてもうれしいです。
「安心できる保健室」をつくるために、私自身が成長したい。
気仙沼市立階上中学校 勤務
養護教諭
佐藤 実季
2010年度卒業
[秋田県立湯沢北高等学校出身]
生徒が「話しづらい」と感じていることも
養護教諭なら聞けることもあります。
日々、中学校の養護教諭として、保健室で生徒たちのケガや体調不良に対応したり、春の健康診断、清掃など、子どもたちの健康管理や学校環境に関すること、また給食の配膳や給食指導などを行っています。
養護教諭になって良かったと感じるのは、不調を訴えて保健室に来た生徒が、体調を回復して元気に授業に戻っていく姿を見たとき。また、「さっきはありがとうございます!」と、笑顔でお礼を言いに来てくれるのも、うれしいものです。それから、そんなに多くはありませんが、不登校の生徒がみんなのいる教室に戻れたとき。子どもたちは、先生や親御さん、友だちにも「ちょっと言いにくいな」と感じていることを、私に一番に教えてくれることもあるのです。そんなときは「私を信頼して話してくれているんだな」と思えて、この仕事にやりがいを感じます。
介護福祉に関する知識を
じっくり学べる4年間は貴重。
仙台大学では体育学を基本にして、介護予防などについて学びながら、実習やボランティアで福祉関係の施設に何度も行きました。その経験があったことで、大学卒業後、特別支援学校で、講師として勤務した時期もありました。現在は普通学校にいますが、特別な配慮を必要とする子どもが多くなってきており、養護教諭としても特別支援教育や、福祉の分野についても期待されるときもあります。健康福祉学科では、介護や福祉について学びますので、その知識がこれからもっと役立つのかも知れません。社会に出てからは、介護や福祉について学ぶ機会がなかなかありませんので、大学の4年間でじっくりと学ぶことの大切さをいまになって感じています。
さまざまな年代の子どもたちと接し、
養護教諭としての経験を積み重ねたい。
介護や福祉を学んだことが私の基盤となって、さまざまな場面で「勉強したことが活かされている」と感じることが多くなってきました。介護や福祉というものは、今後、さらに社会から必要とされる分野の知識・技術だと思いますので、興味をもってくれる人が増えるといいなと思います。 私はこれまで、特別支援学校や中学校での勤務しか経験がないので、今後、機会があれば小学校や高校でも、養護教諭として経験を積みたいと考えています。さまざまな年代の子どもたちとの関わりから、自分も養護教諭として成長し、安心できる保健室をつくっていきたいと思います。